「“家族”というテーマは変わってない」『東京残酷警察』『ヘルドライバー』西村喜廣監督が挑む“アクション映画”『虎影』

■西村喜廣は、なぜ“家族の物語”を描いてきたのか

1506_nishimuraint.jpg

――常に“家族の物語”を中心に据えるということですが、その監督のこだわりの源泉はなんでしょうか? 西村 実家というか、自分の親の問題なんじゃないですかね。(盟友の映画監督である)園子温と一緒ですね。子温がお父さんのことをずっと描くのと一緒で、僕の場合は親父がすっごく厳しかったりとか、そういう自分が育ってきた環境のことがあるんじゃないかなと思う。それを踏まえて、自分の家族像だったり、自分はどうしたいかが映画に滲んでるんじゃないかと思うんですよ。 ――西村監督の場合、親御さんが厳格だったんですか? 西村 うん。なんというか、結構言いにくいんですけど、親父が厳しくて、母親が虐げられてて、僕は三人兄弟の一番上で、両親の係累はなくて、孤立した家庭の中で育ってきた。『ヘルドライバー』が公開された2011年に東日本大震災が起きて、日本半分がゾンビの世界になるという、映画の設定とかぶっちゃって……。その後、ちょうど『めめめのくらげ』(2013年/監督補として)に参加していた頃におふくろが亡くなったんです。  いろいろな思いが重なって、次に自分が映画を撮るとしたら、すごく暖かい家族の話を撮りたいと思ったんですよ。今さら、「日本の社会が~」とか「政治が~」とか、そういうものは撮りたくなくて、元気になるものを撮りたかったんです。 ――本作には、モチーフとして『仮面の忍者 赤影』が出てきますが、それは最初から意識していたんですか? 西村 自分の中から自然と出てくるんですよね。『赤影』は小さい頃にめちゃくちゃ観てて、めちゃくちゃ好きです! 忍者ものを撮るんだったら、『赤影』は外せない。マンガだと、石ノ森章太郎の『変身忍者 嵐』とかがデザインぽくて好きでしたね。 ――『赤影』の登場人物、赤影、白影、青影の仲間を思う気持ちとか、深い絆を持つ関係性は、知らないうちに『虎影』の家族の絆にシンクロしてますね。 西村 ねっ、そうだよね。自然とそうなっちゃった。最初から『赤影』をモチーフにしようとは考えてなかった。最初のモチーフは『走れメロス』だったんですよ。でも、全然意識していなかったんだけど、お父さん、お母さん、子供っていう3人家族の位置関係が気づいたら『赤影』になってきたので、もう隠さないでそれは出しちゃおうと思ったんですよ。 ――『虎影』では、西村監督が思う家族の理想の姿が描かれているということでしょうか? 西村 理想像っていうか、子供がいたらこうなるし、歳をとったらこうなるだろうし、結婚したけれど、どういう気持ちで年を経ていくんだろう……というのも含めて、「家族ってこういうものだよね」ってことを描いてみようかなと思ったんです。

「“家族”というテーマは変わってない」『東京残酷警察』『ヘルドライバー』西村喜廣監督が挑む“アクション映画”『虎影』のページです。おたぽるは、インタビュー特撮その他の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

PICK UP ギャラリー
写真new
写真
写真
写真
写真
写真

ギャラリー一覧

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!